Corda Token-SDK(その1)

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R3社では、現在Corda上のトークン発行用SDKであるToken-SDKの開発を進めている。1.0リリースも近いこのToken-SDKについて、2回にわたって概要を紹介する。その1ではToken-SDKの立ち位置、ゴール等について説明し、その2では、Token-SDKの具体的な機能について説明する。

Token-SDKは、エンタープライズ向けというCordaの特徴を色濃くうけ、エンタープライズ向けの機能の充実が図られていることが最大の特徴である。実際その開発にはスイスの取引所SIXの要望が反映されていて、金融機関による実用が前提となったSDKになっている。

目次

1.想定ユースケース

2.トークンエコノミー実現に向けたCordaの各種実装

3.Token-SDKで実現できること

その2で説明)

4.Token-SDKの紹介

5.Token-SDKが前提するトークン分類

6.トークンライフサイクル(FungibleToken<EvolvableTokenType>)

7.プライバシーの確保

8.まとめ

1.想定ユースケース

1.1 プライマリーマーケット

 
プライマリーマーケット全体像

この図は、プライマリーマーケットにおける典型的ユースケースである。

参加者

アクティビティ

1.2 セカンダリーマーケット

 
セカンダリーマーケット全体像

この図はセカンダリーマーケットの典型的ユースケースである。

参加者

アクティビティ

このうち、注文及びマッチングは、Token-SDKのスコープ外である。特にマッチングについては、Blockchain基盤上で実現する意味がないと考える。なぜなら、セカンダリーマーケットの重要な役割は、注文の集中による流動性の提供にある。これは、非中央集権/分散化を意図したBlockchain/DLTの特性に全く合わないからである。ある特定のトークンの板が世界中に100個あるよりも、すべての売買注文が一か所に集まっていた方が良いことは自明の理であろう。同一証券(トークン)に複数の板がある事の不都合は金融関係者なら誰もが知るところだ。誤発注、不必要なさや抜きの発生、見せ板の発生など多くの課題を生む一方で仲介業者のみが肥え太る仕組みにしかならない。複数の取引所が乱立すること自体、仲介業者以外の参加者にとって非常に不利な状況しか生まない事を明記しておきたい。

2.トークンエコノミー実現に向けたCordaの各種実装

 
トークンエコノミー実現に向けたCorda実装

ここに示したのは、Cordaが用意しているツールのうち、トークンエコノミー実現に向けて使用が想定されるツール群である。開発ツール/Corda ネットワーク/Cordaプラットフォームについての説明は他に譲り、ここではCorda Coreが持つツール及びToken-SDKも含めたライブラリ群について簡単に説明する。

Corda-Settler

Token-SDK

Cash-Issuer

Liquidity savings

Finance

IOU

Observer

Oracle

3.Token-SDKによって実現できること

 
機能と価値

この図はToken-SDKが実現することを説明する図である。この図にある顧客にとっての価値について、少し詳しく説明していこう。

新しい資本調達方法の提供

マーケット拡大と規制の変化

又、オブザーバーノードによる当局監視という新たなスキームは、当局の監視体制の変化をもたらす。さらには規制そのものの変化すらもたらす可能性があり、結果として新規参入者の流入や新しい種類のマーケットが生まれる可能性もある。

コスト削減

ここまで、まずはToken-SDKをめぐる状況を確認してきた。

いわば外堀を埋めたといえる。

その(2)では、いよいよToken-SDKそのものを紹介していこう。

 

Created by: YuIku

Last edited by: YuIku

Updated: 2019/01/26

 

 

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